春のきざし

如月の梅見の頃と訪へば蠟梅咲きて薫りの小径

やうやくに一冬越して弛びたる寒白菊の蕾豊かに

仰ぎ見る今年も忘れず咲きそむる河津さくらの碧空に映え

二つ三つ蕾ほどけて早桜切り通しの端に光あつめる

午後の陽の椿の根方に福寿草春一番の喜を携えて